小谷真理解説本サーベイ9

美貌の殺人鬼・八千草飛鳥を描く<ブルー・マン>シリーズ第三巻。美しいけど、奇怪きわまりない世界の魅力について暑苦しく語っている(^^;)





巻末解説の一文「上巻が夢の曖昧さへの旅だとするなら、下巻は夢世界へ至る道、すなわち創造そのものの謎に迫る物語と言えるだろう。」にあるように、「夢の文学」の手法についてふれている。





エル・アルコン-鷹- (秋田文庫)

エル・アルコン-鷹- (秋田文庫)

う少女マンガ界では稀有とも言える「悪い男ティリアン」の豪勢な魅力についてのエッセイ。
ちなみに、この作品は宝塚で上演された。婦女子への人気の程がしのばれる。




夏のロケット (文春文庫)

夏のロケット (文春文庫)

科学の現場を真面目に取材しながら、現場のリアリティを忘れずエクストラポレートする作家といえば、川端裕人と瀬名英明の両氏だろう。
前者の第一長編。解説のタイトルは「やさしい過激派」。ノンフィクション作家として科学を見る視線の中に、一定の清冽さを残す氏の魅力に、遺憾なくせまったエッセイと言える。
なお、解説の冒頭に登場する「ハードSF好きの友人」とは、科学ジャーナリスト永瀬唯のこと。






ロードス島戦記 DVD+CD BOX

ロードス島戦記 DVD+CD BOX

まるで高価な香水ケースのようにお洒落で贅沢なパッケージの完全限定版BOXセット。
各DVDの表紙が出渕裕氏の書き下ろしイラストとなっており、考えられないくらい豪華な作りとなっていて、おそらくピーター・ジャクソンの『ロード・オブ・ザ・リングス』DVDにも多大なる影響を与えたのではないか(笑)などと、疑ってしまう。
なかには「ファンタジー年代記としてのロードス島戦記」という特製ブックレットがついていて、本文を小谷が、イラストを丹野忍氏が担当している(もちろん、すべて書き下ろし)。
ヒロイック・ファンダジー・ファンには垂涎の的となる手作り観のつよい企画。
全体監修は出渕裕氏で、氏の監督・プロデューサー・デザイナーとしての才覚があふれでるよう。
なお、企画段階で、制作者たちはフェティッシュな本作りで知られていたトレヴィル社を強く意識していた。
物作りに関する意気込みが、みごとに継承されたことを示す一例と言えよう。