ホワイトハウスで朝食を

ワシントンD.C.の弁護士に聞いたジョークというのを、アメリカ在住の友人からもらった。
要約すると、こんな感じ。

★★★
ある朝、チェイニーとブッシュがホワイトハウスで朝食をいっしょにとることになりました。
ナイス-ボディのウェートレスさんが登場し、チェイニーに注文をうかがいます。チェイニーが「ええっと、わたしはオートミールと果物をもらおうかな、大統領にはなにをいただこうかな?」などと応対。
あいかわらず、よく気がつくおっさんですね。
ここで、ミスター・ブッシュ、トレードマークのウィンクとあの薄ら笑いをうかべて「How about a quickie this morning? 」と聞きました。


金魚の註1
quickie…? はて、大統領が発音された 「quickie」とは、なんのことであろうか。
quick (早く) が、なまってしまったのだろうか。
それとも、quickie ということばに似たある食べ物を指しているのだろうか。
ためしに、辞書をひいてみると、quickie…「急ごしらえのもの」という口語の意味があるらしい。
忙しい大統領のこと、なにかを早く食べたいのねという意図が推測されるーーはずだった。(←「今朝、急ごしらえのものについてはどうなんだね」みたいなニュアンス)
しかし、quickieには、もうひとつの別の意味があった。
それは「短時間性交」。(←「今朝、短時間性交についてはどうかね」という意味になります)
このシチュエーションで、それはけっこう危険な「おことば」ではなかろうか。
☆☆
もちろん……なんたってナイス-ボディですから……ウェートレスさん、後者の意味にとって、カンカンに怒りました。よりにもよって、今朝はなにが早く食べられる…って、朝っぱらから、短時間セックスの話だア? なにいってんのよ、このクソおやじがァ、というわけです。…たぶん。

★★★
「ミスター・ブッシュ」と、怒りをあらわにする、ウェートレスさん、
「なんて無礼な! いよいよミスター・クリントンと同じようなことになってきたってわけね、しかも二期目の今になって!」


金魚の註2
クリントンさんは、二期目でセックス・スキャンダルにまみれました。


★★★
いかりまくったナイスボディのウェートレスさん、嵐のように退場。
チェイニーがぐっと身をのりだし、やさしくささやきました。
「ちゃんと、キッシュって、発音しなきゃだめですよ、大統領」



金魚の註3
キッシュ(quiche)とは、日本でもよく知られているパイの一種。
大統領ともあろう方が、その年になるまで、まさかquiche(キッシュ)をquickie(短時間性交)と発音するものと勘違いなさっておいでとは、そして、その年になるまで、注意もされなかったとは、けして……思いたくは……ないのだ……が……。
……
てなわけで、これは、大統領たるもの、教育の成果はちゃんと披露するべきだ、というアメリカ知識人たちのジョークなのだろう。
ちなみに大統領の知的レベルがどの程度のものなのかについて、さまざまな小咄が、アメリカに存在する。
下記はその一例。
☆☆
ブッシュ大統領は、敬虔なプロテスタントで、毎朝聖書を読んでいると報道されている。
ある朝ニュースでその映像が流された。
大統領の持っていた聖書は、さかさまだった。
……。


金魚の註4
蛇足。
このジョークが届いたとき、大統領の知的レベルに疎かったわたしは、妙な妄想に陥った。
quiche(キッシュ)は別の俗語でもある。
quiche outで「食べすぎた」。
もちろん、かれらは"そろって朝食をとっている"わけであるから、ゆうべはたっぷり楽しんだのではあるまいか。
そう考えると、ナイスボディのウェートレスさんに、あ〜んなヒワイなことばを投げつけても、それはそれで、けっこうツジツマは、あっていたかもしれないのだ。

☆☆
ウソだと思ったら、「B/C ヤツラはできている」というシチュエーションを念頭に「短時間性交」「食べ過ぎ」をあてはめて、ちょっと全体を再読してみてください。
もちろん、その場合、チェイニーのセリフを三ツ矢雄二さんの声で妄想すると、より効果的かもしれません。
え? 三ツ矢さんだと美しすぎる?
いえいえ、わたしたちにはホワイトハウスやおいが必要なときもあるんです。
 ( ≒ ブルータス、おまえもか…)