小谷真理解説本サーベイ2

読書の秋を楽しむために…の第二弾。
毎日更新できればいいな(希望的観測)



魔術探偵スラクサス

魔術探偵スラクサス


世界幻想文学大賞の2000年度受賞作品。隠れた名作、それも、ユーモア・ファンタジー・ミステリ(笑)。
異世界で殺人事件が起きて、探偵が解決する、という、ファンタジーとミステリとの奇跡的なジャンル・ミックスに成功している。まー、ユーモア作品だ、というところが成功の秘訣でしょうか。
翻訳ものでユーモア小説って、笑いのツボがちがったりして案外難しいのですが、これはいい感じです。翻訳もグー。
てなわけで、巻末解説もほのぼのエッセイになってる。


緑の少女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

緑の少女〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

緑の少女〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

緑の少女〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ロボットSFでは日本でけっこうポピュラリティを獲得した『ヴァーチャル・ガール』の著者が、文化人類学をもとにしているル・グウィンの他惑星訪問型冒険SFの大ファンで、ああいうのを書きたい、と思って書いた三部作の第一作目。


スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)

スロー・リバー (ハヤカワ文庫SF)

レズビアンSF作家として著名なグリフィスの環境工学SF。
都市の下水処理施設が舞台というユニークな設定と、レズビアンカップルのロマンスが、大富豪の令嬢失踪事件を介して絡み合う。エコ全盛の現代にはまさにうってつけの内容で、未来都市論としても、面白い。



光の軍隊 (ハヤカワ文庫FT―ダールワス・サーガ)

光の軍隊 (ハヤカワ文庫FT―ダールワス・サーガ)

異世界ファンタジー界にこの人有り、と謳われたストーリーテリングの名手による<ダールワス・サーガ>第三巻。
頭でっかちの女子大生が、異世界に投げ出され、いろいろいろいろ苦労する、という体育会系ロマン。
SFっぽい味付けも気が利いていて、いや〜でもやっぱ異世界ファンタジーは最高だよ(笑)、と思える名作になっている。