オックスフォード・ファンタジー

パティントンからオックスフォードへ電車で行く。
二等席にしたら、こんでいた。
11時、本屋ブラックウェルでランカスター大学のトニー・ピンクニー教授と会う。
テリー・イーグルトンのお弟子にして、ここの卒業生である教授の専門は、ウィリアム・モリス
教授の指導を受けながら、大学町を見物する。
聖メアリー教会登頂。
クライスト・チャーチ訪問。
異様にこんでいる。
ルイス・キャロル(彼の勤め先だった)とアリスにそんなに人気があるのかと思ってつめかけた学生をほほえましくながめていたら、ちがった。
ダイニングルームが、かのハリー・ポッターホグワーツ魔法魔術学校のロケ地なのだった。
「どうぞ、いくらでも写真をお撮り下さい」と門番のフィルチさんから言われる。

モードリン学寮(C.S.ルイスの勤め先だった)に行く。
ケア・パラベル城とは、ここのことだったのだ、と納得する。
ビンクニー教授は、おもしろそうに「ここでもハリー・ポッターのロケしたはずだよ」と回廊を指さした。
人っ子一人いなかった。
インクリングズ集会所だったパブThe Eagle and Child 訪問。
壁にトールキンやルイスのサインがはってあった。


フィンランドSFファンと、レバノン料理で夕食。
帰りの電車に乗ったら、ロンドンまでの直行はもうないと言われ、途中の駅でながく待たされる。
駅員に聞いても、いつ電車がくるのかはっきりしないうえ、なんとプラットフォームの場所さえわからない。
駅員の誤情報にまどわされ、重いトランクをもって、あがったりおりたりしている学生さん、多数。

英国の時刻表ってそんなにダメだったかなあ、とクリスティーのミステリを思い出す。
ヒマにまかせて、「オックスフォードの有名人」という冊子を読んでいたら、プリンス・ヒロとプリンセス・マサコのことも出ていた。「マートン学寮のOBとバリオール学寮のOGが結婚した」、つまりオックスフォードでは同窓生同士の結婚とみなされているらしい。

電車の苦労をわかちあったジョージア州の音楽オタクと仲良くなり、彼らがオックスフォードのレコード店でゲットしたクィーンのシングル版をいろいろみせてもらう。感動!
交通事情がわるくなければこういうハプニングもないわけだから、電車の遅れもわるいことばかりじゃないって。