小谷真理解説本サーベイ12


本書は、70年代当時から書かれていた文化人類学的SFテーマをさらに探究したもの。
20年以上にわたる時代の推移がうかがえてなかなかおもしろい展開になっている。
解説のタイトルは「再発見される文化の痕跡」。




信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス (新潮文庫)

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス (新潮文庫)

著者は、1999年日本ファンタジーノベル大賞を本書で受賞するとともに、同年永原孝道名義で評論を書き、第六回三田文学新人賞を受賞している。
巻末解説「ポストバブルの黄金」は、小説と評論の双方を読み解きながら、同書の信長像再解釈の慧眼をたたえている。



魔都の聖戦〈1〉大将軍の野望―「真実の剣」シリーズ第3部 (ハヤカワ文庫FT)

魔都の聖戦〈1〉大将軍の野望―「真実の剣」シリーズ第3部 (ハヤカワ文庫FT)

ハヤカワFTのカンバン<真実の剣>シリーズ第三部第一巻。SM風味(?)がけっこうおもろいファンタジー。解説のタイトルは「成長物語の真実」。



蟻の革命―ウェルベル・コレクション〈3〉 (角川文庫)

蟻の革命―ウェルベル・コレクション〈3〉 (角川文庫)

フランスのジャーナリストが描く昆虫SFの極北!……の第三部。
むっちゃくっちゃいかしているアリ103683号の運命やいかに。
こういう展開だから、この解説者なのか、という取り合わせがキュートだった一冊。




黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険

黄金の羅針盤〈上〉 ライラの冒険

黄金の羅針盤〈下〉 ライラの冒険 (新潮文庫)

黄金の羅針盤〈下〉 ライラの冒険 (新潮文庫)

普及の名作にして、映画化もされた<ライラの冒険>シリーズ第一部。
解説のタイトルは「楽園探検の手引き」。ジョン・ミルトン失楽園』との関係から、同書の作品世界を解題している。